クライメート・ジャスティス ― 気候変動と開発について考える
昨年11月、COP22マラケシュ会議の直前にパリ協定が発効しましたが、地球の気温上昇を産業革命前から2度未満に抑えるという目標の具体化は先送りされたままです。それどころか先進国企業による形を変えた開発投資や土地収奪がより一層活発化するのでは、と危惧されています。
気候変動の背景には、日本を含むほんの一握りの先進国や新興国が排出してきた温室効果ガスが背景にあります。一方で、気候変動の影響は、防災がままならず、農業や漁業など自然に頼って生活している途上国の貧しい人々に集中しがちです。このため市民社会は気候正義(クライメート・ジャスティス)を求めてきました。歴史的責任だけでなく、資金や能力のある先進国は、正義や持続性と矛盾しない、支援を求められています。
現在、日本では、ADB(アジア開発銀行)やJBIC(国際協力銀行)が投資の枠組みを作り、官民一体となって、「質の高いインフラ輸出戦略」のもとで、インフラが未整備あるいはエネルギー需要の急増する途上国で、積極的に石炭火力プロジェクトを進めています。
本セミナーでは、フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス元代表のウォルデン・ベローさんをゲストに招き、また、ADBやJBICによるインフラ投資が引き起こしている問題について、現地を調査されてきたNGOの皆さんから報告をいただき、クライメート・ジャスティスの観点から気候変動と開発について考えたいと思います。
[日時] 2月3日(金)18:00~20:30
[場所] 法政大学市ヶ谷キャンパス内ボアソナードタワー3階マルチメディアスタジオ
地図:http://www.hosei.ac.jp/access/ichigaya.html
施設:http://www.hoseikyoiku.jp/facilities/boissonade/?pk=0300
JR総武線・地下鉄線 市ヶ谷駅または飯田橋駅下車徒歩10分
[プログラム内容]
〇基調講演:ウォルデン・ベロー(現在、京都大学客員教授、元フィリピン上院議員、元Focus on the Global South代表)
〇報告:
・田辺有輝(JACSES)「ADBによる石炭火力発電融資~モンゴル・ウランバートルの案件を例に~」
・深草亜悠美(FOEジャパン)「インドネシアとベトナムの事例からクライメート・ジャスティスを考える」
〇コメント&提起:松本悟(法政大学教授、メコン・ウォッチ顧問)「開発協力-利己と利他のはざまで」
[共催] 法政大学国際文化学部/ATTAC Japan国際ネットワーク委員会
[参加費] 英日通訳付き。どなたでも参加できます。無料。
[連絡先] 秋本(090-9824-9081)、nag00562[α]nifty.ne.jp